L-アスコルビン酸2-グルコシド

L-アスコルビン酸2-グルコシド(AA-2G)は酵素技術により、アスコルビン酸にグルコースを結合させた安定型ビタミンC です。熱・光・酸素やアミノ酸・鉄などによる酸化・分解を受けにくく摂取すると、小腸の消化酵素により加水分解を受け、ビタミンCとなって体内に吸収され、ビタミンCとしての効果を持続的に発揮します。AA-2G は2004年に食品添加物(栄養強化剤)として承認されています。

  • 体内での動き

    AA-2Gは小腸上皮細胞の膜上に到達すると、アルファグルコシダーゼによりAA-2Gからグルコースが外れ、アスコルビン酸(ビタミンC)となります。ビタミンCの吸収はトランスポーターが介在する能動輸送です。AA-2Gでは、ビタミンC単独の経口摂取とは異なり、消化管からの吸収はゆるやかで、アスコルビン酸の血中濃度も長時間維持(通常のビタミンCより3-6倍長い)されます。また、AA-2Gより外れたグルコースは脳や体内のエネルギー源として利用されます。
    期待される作用:抗壊血病作用、抗酸化作用、免疫増強作用、美白作用、神経機能促進作用、等の報告があります。興味深い知見では、ビタミンCの生合成に不可欠な酵素(SMP30)を欠損したマウスでは老化が4倍速で進んだと報告されています。
    AA-2Gのクリニックでの応用例:抗がん剤治療・放射線治療の副作用防止、高濃度ビタミンC点滴療法の補助、生活習慣病の予防、アンチエイジング、外科手術後の傷口の修復、ビタミンC栄養強化(介護、病院食など)として幅広く使用されています。

  • 注意点

    まれに体質に合わないこともあります。体調のすぐれない場合は一時、中止してください。

  • 摂取方法

    朝晩2回摂取。できれば毎食後の摂取が望ましい。激しい運動やストレス、長時間の紫外線に曝される場合には増量も可能です。

  • 安全性

    通常の使用では過剰症の心配はありません。使用時はメーカーの説明文書にしたがって下さい。
    AA-2Gは消化管から吸収される直前までは還元性を持たないため、他の薬剤との相互作用のリスクは低減されます。
    血液から組織に取り込まれなかったビタミンCはそのまま尿中に排泄されます。通常の経口摂取量では尿中のシュウ酸の量には影響が出ないですが、4000 mg/日以上の経口摂取量ではシュウ酸が増えるとの報告もあります。
    一般的にビタミンCと相互作用が報告されている薬物の例としては、エストロゲン製剤、アセタゾラミド(利尿薬、炭酸脱水素酵素阻害)、スタチン製剤、ワルファリン、がん治療薬、などがあります。服薬中の方は医師、薬剤師にご相談ください。

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